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ヒョンデとキアの関係は?同じ会社なのか持株比率で解説

ヒョンデとキアの自動車
目次
  1. ヒョンデとキアの関係:同じ会社ではなく35.17%でつながる別会社
  2. ヒョンデとキアのグループ構造:モービスを含む循環出資
  3. ヒョンデとキアの違いと共通点:プラットフォーム・エンジン・工場
  4. ヒョンデとキアの日本での販売:運営会社も窓口も別々
  5. 米国でのヒョンデとキアの保証・販売店の比較
  6. ヒョンデとキアはどちらを選ぶべきか:タイプ別の目安
  7. よくある質問

ヒョンデとキアの関係をひと言でまとめると、「同じ会社ではなく、35.17%の株式でつながった同じグループの別会社」です。ヒョンデ(現代自動車)は2026年6月30日時点でキア(起亜)の株式の35.17%を持ち、自社の中間財務諸表ではキアを子会社ではなく関連会社として扱っています。両社はソウルでそれぞれ上場し、社長兼CEOも別々で、米国ではそれぞれが自前の販売会社と販売店網を通じて車を売っています。一方で、プラットフォームとエンジン、グループの会長、そして3社をまたぐ循環出資は共有しており、法律上の区別を除けば一つの産業グループといえます。車を選ぶ側から見ると、2つのブランドの差は別々の技術の系譜にあるのではありません。デザイン、保証の細かな条件、そして近くにある販売店の違いに行き着きます。

要点まとめ

  • キアとヒョンデは別々に上場する会社です。ただしヒョンデは1998年にキアを引き受け、2026年6月30日時点でキア株の35.17%を持つ筆頭株主です。
  • 出資は輪のように回っています。2026年半ば時点で、ヒョンデモービスがヒョンデ株の22.36%、ヒョンデがキア株の35.17%、キアがヒョンデモービス株の18.10%を保有しています。
  • 日本でも販売の窓口は別です。ヒョンデは100%子会社のHyundai Mobility Japanが、キアは双日の100%子会社であるKia PBVジャパンが扱っています。
  • 米国で売られる2026年モデルは、基本保証5年・6万マイル、パワートレイン保証10年・10万マイルで両ブランドが同じです。ロードサービスだけは、ヒョンデが走行距離無制限、キアが6万マイルまでと差があります。

ヒョンデとキアの関係:同じ会社ではなく35.17%でつながる別会社

同じ会社ではありません。一つの大株主の持ち分で結ばれた2社であり、書類の上でもそのことははっきりしています。キアの起源は、1944年12月に設立された自転車部品メーカーのキョンソン精工(Kyungsung Precision Industry)で、株式は1973年7月から上場しています。ヒョンデのほうは1967年12月の設立で、上場は1974年6月です。キアは1997年に不渡りを出して経営が行き詰まり、キア自身の沿革には1998年の出来事として「ヒョンデがキアを引き受けた(Hyundai Motor takes over Kia Motors)」と記されています。韓国民族文化大百科事典によると、2000年8月、創業者チョン・ジュヨンの息子チョン・モングが10の系列会社を率いて自動車事業を旧現代グループから切り離した際に、キアも行動をともにし、現在のヒョンデ自動車グループ(Hyundai Motor Group)の一員になりました。社名から「Motors(自動車)」を外して現在の「Kia」になったのは2021年1月です。

では、ヒョンデはキアを所有しているのでしょうか。答えは「一部を」です。2025年末時点でヒョンデが持っていたキア株は1億3,731万8,251株で、キアの株主構成表ではこれが35.17%にあたります。2026年6月のヒョンデの財務諸表も同じ数字を示しています。キアの発行済株式数は、2022年末の4億540万株から2025年末の3億9,040万株へと減りました。2022年末の株数で割ると1億3,730万株は33.9%になるため、「約3分の1」という答えは誤りではなく、数字が古いということです。

経営陣は、トップの一段は別々で、さらにその上では共通です。キアの社長兼CEOはソン・ホソン、ヒョンデの社長兼CEOはホセ・ムニョスです。2020年10月にグループ3代目の会長に就いたチョン・ウィソンは、ヒョンデの執行会長兼CEOを務めると同時に、ヒョンデ自動車グループ執行会長としてキアの取締役会にも名を連ねています。創業家が別々に上場する複数の会社を率いるという、財閥のおなじみの形です。財閥の御曹司を描く韓国ドラマが好んで題材にするのも、この構造です。

日本の自動車業界に置き換えると、2026年3月31日時点で日産自動車が三菱自動車工業の株式の26.67%(自己株式を除いて計算)を持つ筆頭株主であるのに近い構図です。ヒョンデの持ち分はそれよりも大きく、しかも次に見る循環出資によって、3社が一つの支配ブロックにまとめられています。

ヒョンデとキアのグループ構造:モービスを含む循環出資

3社が輪をつくり、それぞれが次の会社の大きな持ち分を握っています。輪の3社目にあたるヒョンデモービスは、韓国民族文化大百科事典によると、2000年にチョン・モングが旧現代グループから率いて出た10の系列会社に、ヒョンデ、キアとともに含まれていました。

株主保有先持株比率時点
ヒョンデモービスヒョンデ(現代自動車)22.36%2026年6月30日
ヒョンデ(現代自動車)キア35.17%2026年6月30日
キアヒョンデモービス18.10%2026年6月30日
チョン・モングヒョンデ(現代自動車)5.57%2026年6月30日
チョン・モングヒョンデモービス7.47%2026年6月30日
チョン・ウィソンキア1.81%2025年末

表の数字は、ヒョンデの2026年6月の中間財務諸表、2026年6月30日付のヒョンデモービスの株主開示、キアの2025年末の株主構成表によるものです。矢印をたどると、輪の中のどの会社も、輪の中の別の会社に一部を所有されています。創業家の直接の持ち分は小さく、チョン・ウィソンが持つヒョンデモービス株は2026年半ば時点で0.33%にすぎません。それでも、この輪があるために3社は一つの支配ブロックの下にとどまっています。要の位置にいるのはヒョンデモービスです。同社の開示では、2026年6月30日時点でキアを含む関係会社などの持ち分が32.70%に達しており、そのヒョンデモービスがヒョンデの筆頭株主になっています。2社が互いの株を持つ日本型の「持ち合い」とは違い、ここでは3社が一方向に輪を描いている点が特徴です。

車を買う人にとっては、この構造でショールームに並ぶ車が変わるわけではありません。株主にとっては事情が異なります。キアの利益は持ち分を通じて一部がヒョンデの業績に流れ込むので、ヒョンデ株を買うことは、間接的にキアにも投資することを意味します。

ヒョンデとキアの違いと共通点:プラットフォーム・エンジン・工場

共通しているのは、開発にお金のかかる「中身」です。具体的にはプラットフォーム、エンジン、そして工場です。ヒョンデ自動車グループは2020年12月にEV専用プラットフォーム「E-GMP」を公開し、ヒョンデのIONIQ 5(アイオニック5)、キアのEV6、ジェネシスのGV60がいずれもこの上に作られていると説明しています。エンジン車でも、グループの第3世代プラットフォームが8代目ソナタから使われ始め、その後キアのK5セダンを含むヒョンデとキアのほかのモデルにも広がりました。

エンジンを共有すれば、問題も共有することになります。2017年、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)は、ヒョンデとキアがそれぞれシータIIエンジン搭載車をリコールしたことを受けて、2件のリコール調査を始めました。キアの2017年のリコールだけでも、対象は2011〜2014年モデルのオプティマ、ソレント、スポーテージの61万8,160台に上りました。両社は2020年11月に、そろってNHTSAとの同意命令(consent order)に署名しています。2021年12月にNHTSAがエンジン火災の調査を始めた際には、2011〜2016年モデルのヒョンデ車とキア車、推定約300万台を一つの調査ファイルで扱いました。

工場の共有も進んでいます。ジョージア州エラベルの「ヒョンデ自動車グループ・メタプラント・アメリカ」は、ヒョンデのアラバマ工場(2005年完成)、キア・オートランド・ジョージア(2010年完成)に続くグループ3番目の米国生産拠点で、ヒョンデ、キア、ジェネシスの3ブランドのEVとハイブリッド車をつくるために建てられました。2025年3月の開所にあたり、キアは最初のキア車の生産が2026年に始まると説明しています。重なりは、すでにヒョンデの書類にも表れています。ヒョンデの2026年の米国向け新車保証は、ヒョンデ本体とアラバマ工場が製造・装着した部品だけでなく、キアのジョージア工場(Kia Motors Manufacturing Georgia)とメキシコ工場(Kia Manufacturing Mexico)が手がけた部品も対象にしています。

違いが出るのは、デザインとブランドの立ち位置です。キア自身の沿革によると、チョン・ウィソンが2005年にキアの社長に就いた後、キアはペーター・シュライヤーをチーフデザインオフィサーに迎え、デザインで選ばれるブランドへの転換を進めました。高級ブランドを持つのは片方だけです。ジェネシス・モーター・アメリカとジェネシス・モーター・ヨーロッパは、ヒョンデの完全子会社の一覧に載っています。

ヒョンデとキアの日本での販売:運営会社も窓口も別々

日本でも、2つのブランドは別々の会社を通じて売られています。ヒョンデは2009年12月に日本の乗用車市場から撤退した後、2022年2月8日に再参入を発表しました。このとき日本法人の社名は「現代自動車ジャパン株式会社」から「Hyundai Mobility Japan株式会社」に変わり、ヒョンデの100%子会社である同社が、EVのIONIQ 5と燃料電池車のNEXOの2車種を、購入手続きがオンラインで完結する形で投入すると発表しています。

キアの日本での窓口は、双日です。双日は2024年9月24日、キアのEVバンについて日本国内の販売総代理店契約を結んだと発表し、PV5の販売を2026年春ごろに始める予定だとしていました。実際の販売を担うのは双日の100%子会社Kia PBVジャパンで、2026年5月15日には東京都西東京市で直営ディーラー「Kia PBV 東京西」の営業を始めています。同社は2026年度中に1,000台の販売を計画しています。

持株関係でつながっていても、日本ではヒョンデが自社の子会社で乗用車を、キアが双日の子会社でEVバンを売るという形で、販売の仕組みがはっきり分かれています。窓口が別になる点は、次に見る米国の保証と販売店の関係とも共通しています。

米国でのヒョンデとキアの保証・販売店の比較

主要な数字だけを見れば、米国での2ブランドの保証は同じです。差が出るのは、ロードサービス、錆による穴あきの保証、そして修理を誰が受け持つかです。

米国の保証内容(2026年)ヒョンデキア
新車(基本)限定保証5年・6万マイル5年・6万マイル
パワートレイン(最初の所有者)10年・10万マイル10年・10万マイル
パワートレイン(2人目以降の所有者)5年・6万マイル5年・6万マイル(2020年版の保証書。年式ごとに要確認)
ロードサービス5年・走行距離無制限5年・6万マイル
錆による穴あき(アンチパーフォレーション)7年・走行距離無制限5年・10万マイル
保証の主体Hyundai Motor AmericaKia America
保証修理を受けられる場所ヒョンデの販売店と認定サービス施設キアの認定販売店(2026年1月時点で米国に800店近く)

1マイルは約1.6kmです。ヒョンデの条件は2026年版の「Owner’s Handbook and Warranty Information」、キアの条件は米国のオーナー向けサイトによるもので、2人目以降の所有者の規定だけはキアの保証書から取っています。その2020年版は、最初の所有者に120カ月・10万マイル、2人目以降の所有者に60カ月・6万マイルを定めています。どちらの保証も各ブランドの米国販売会社との契約で、キアの保証書は、キアの米国法人が保証修理を行うよう指定した販売店を「認定キア販売店」と定義しています。そのため、プラットフォームをヒョンデ車と共有していても、キア車の保証修理はキアの販売店に持ち込むことになります。

保証の条件は、市場ごとにも書き分けられています。ヒョンデの2026年版ハンドブックが適用されるのは、Hyundai Motor Americaが流通させ、米国50州とワシントンD.C.で登録された米国仕様車だけで、ほかの国で流通した車にはその国の保証が付きます。キアの沿革によれば、同社は2010年に欧州で販売・登録されるすべての車に7年保証を広げており、欧州で2ブランドを比べると米国とは違う結果になる可能性があります。日本で買う場合も、ヒョンデはHyundai Mobility Japan、キアはKia PBVジャパンが示す条件を確かめる必要があります。さらに遠い市場に目を向けると、韓国から中央アジアへの中古車輸出でも、2つのブランドが並んで姿を見せています。

ヒョンデとキアはどちらを選ぶべきか:タイプ別の目安

技術の系統は同じなので、車そのものと販売店で選ぶのが基本です。そのうえで、ブランドの違いが数字に表れる場面をいくつか挙げます。

  • 走行距離が多い人、融雪剤が多く使われる地域に住む人(米国): ヒョンデのロードサービスは5年間走行距離の上限がなく、錆による穴あきの保証も7年・距離無制限です。キアはそれぞれ6万マイル、10万マイルまでです。
  • いずれ高級車に乗り換えたい人: ジェネシスはヒョンデの傘下にあるので、ステップアップしても同じ会社の中にとどまります。
  • EVを検討している人: IONIQ 5とEV6はE-GMPを共有しています。プラットフォームの宣伝文句より、価格、室内、地元の販売店を比べてください。
  • 中古車を買う人: ヒョンデの2026年の条件とキアの保証書(2020年版)は、どちらも2人目の所有者のパワートレイン保証を5年・6万マイルに短縮しています。中古車の掲載情報にある「10年保証」は最初の所有者の特典で、あなたの保証ではありません。

日本の読者の場合、比べる前提がもう一つ違います。日本ではヒョンデが2022年に乗用車のIONIQ 5とNEXOで再参入を発表し、キアが2026年にEVバンのPV5で販売を始めたため、入り口になる車の種類からして異なります。それ以外の人にとって決め手になるのは、どの持株表にも載らない要素です。どちらのデザインが好きか、各販売店がいくらの見積もりを出すか、そして自宅から整備工場までどれだけ離れているかです。

よくある質問

Q: ジェネシスはヒョンデとキアのどちらのブランドですか?

ヒョンデです。ジェネシス・モーター・アメリカとジェネシス・モーター・ヨーロッパは、2026年6月の中間財務諸表でヒョンデの完全子会社として記載されています。ただし、ジェネシスGV60はヒョンデ自動車グループのEV用プラットフォームE-GMPを、キアのEV6と共有しています。

Q: ヒョンデとキアはどちらが多く売れていますか?

ヒョンデのほうが約100万台多く売れています。2025年の世界販売(卸売ベース)はヒョンデが413万8,389台、キアが313万5,873台で、合計は約727万台です。利益率ではキアが上回り、売上高114兆1,000億ウォンに対して営業利益9兆800億ウォンで約8.0%でした。ヒョンデは186兆3,000億ウォンに対して11兆4,700億ウォンで、6.2%にとどまっています。

Q: 「ヒュンダイ」と「ヒョンデ」は同じ会社ですか?

同じ会社です。日本では以前、英語表記Hyundaiをローマ字読みした「ヒュンダイ」が使われていましたが、現地での読み方は「ヒョンデ」です。日本法人は2022年2月に社名を「現代自動車ジャパン株式会社」から「Hyundai Mobility Japan株式会社」へ変え、現在はヒョンデの表記で発信しています。

Q: 現代重工業もヒョンデ自動車グループの一員ですか?

いいえ。現代重工業は、自動車会社が分かれた2年後の2002年に、チョン・モンジュンのもとで旧現代グループから正式に離れました。その流れをくむHD現代は現在、かつてドゥーサンの名で売られていたデベロンのショベルをつくっており、ヒョンデ、キア、ヒョンデモービスの輪の外にあります。

Q: ヒョンデは1998年にキアを丸ごと買収したのですか?

いいえ。韓国民族文化大百科事典によると、ヒョンデが1998年12月に結んだのは、キア株の51%を取得する契約でした。2026年6月30日時点の持ち分は35.17%です。

別々に上場する2社、一つの創業家、共通のプラットフォーム。これがヒョンデとキアの関係の要約で、その全体をつなぎとめている数字が35.17%です。

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