グルメ

韓国の屋台の食べ物を韓国語で読む|定番8選の名前と意味

韓国の屋台の食べ物
目次
  1. 1. 떡볶이(トッポッキ):名前がそのままレシピ
  2. 2. 어묵と오뎅(オムクとオデン):ひとつの練り物にふたつの名前
  3. 3. 순대(スンデ):アイスのサンデーとは無関係
  4. 4. 튀김(ティギム)と김말이(キムマリ):揚げ物トレーの読み方
  5. 5. 꼬치(コチ):串に刺さっていれば꼬치
  6. 6. 핫도그(ハットグ):衣で包んだ韓国式ホットドッグ
  7. 7. 호떡(ホットク):「胡」の字がつく焼き菓子
  8. 8. 붕어빵(プンオパン):魚の入っていない魚のパン
  9. 屋台の食べ物を韓国語で読むコツ:看板によく出るパーツ早見表
  10. よくある質問

붕어빵(プンオパン)を直訳すると「フナのパン」。ところが定番の中身は甘い小豆あんで、魚はどこにも入っていません。名前と中身のこのズレこそ、韓国の屋台の食べ物を韓国語で読むおもしろさです。屋台の食べ物の名前は形・調理法・材料の組み合わせでできているので、パーツに分けて読めるようになれば、手書きの看板がそのままメニュー表に変わります。今回の8品は、次の屋台でもそのまま使える「読み方の型」が身につくものを選びました。どれもハングルの看板表記、公式のローマ字、韓国語の直訳をセットで紹介します。屋台がどこに並ぶかは明洞の屋台ガイドにまとめています。

まず押さえたい3つのポイント

  • 名前は「説明文」として読みます。붕어빵(プンオパン)は焼き型の形から「フナのパン」、떡볶이(トッポッキ)は文字どおり「餅を炒めたもの」です。
  • 英字やカタカナのつづりより、ハングルを信じてください。2000年に定められた公式ローマ字表記では 떡볶이 を tteokbokki と書き、韓国政府の英語表記では2021年から 순대 を「blood sausage」ではなく sundae としています。
  • 빵(パン)、떡(餅)、꼬치(串)、튀김(揚げ物)、군(焼いた)の5つを覚えるだけで、看板の読み解きがぐっと楽になります。

1. 떡볶이(トッポッキ):名前がそのままレシピ

떡볶이は、떡(tteok・餅)に볶이(bokki)がついた言葉で、볶이は「炒める」という意味の動詞 볶다 から来ています。つまり2語の名前がそのまま作り方です。韓国の標準語辞典「표준국어대사전」は、가래떡(カレトク、棒状の餅)を食べやすく切って野菜や調味料と炒めた料理と定義し、味付けは醤油でもコチュジャンでもよいと添えています。屋台では、もちもちの白い棒餅が真っ赤なソースの中でぐつぐつ煮えている平たい大鍋を探してください。

声に出すと真ん中の音が詰まり、tteok-ppo-kki のように聞こえます。公式ローマ字はこうした合成語の濃音を書き表さないので、つづりには出てきません。同じ看板に라볶이(ラッポッキ)が並んでいたら、ラーメンが鍋に加わった合図です。オープン辞書「우리말샘(ウリマルセム)」は、この語を râmen(ラーメン)と볶이の組み合わせとして載せています。ソースの系統やロゼとの違いはトッポッキの種類ガイドで詳しく比べています。

2. 어묵と오뎅(オムクとオデン):ひとつの練り物にふたつの名前

どちらも魚の練り物のことで、長い串に刺してだしの鍋に浸しておくタイプを指します。어묵は韓国語の言い方で、어(魚)と묵(ムク)の組み合わせ。묵はドングリやソバ、緑豆のでんぷんを固めたぷるんとした食べ物を指す言葉です。一方の오뎅は日本語の「おでん」から入った外来語で、標準語辞典は오뎅の意味を説明せず、어묵を見るよう案内するだけ。同じ辞書は어묵について、もともと日本の料理だったとはっきり書いています。

日本の読者が戸惑うのはここからです。デジタル大辞泉は、日本のおでん(御田)を「さつまあげ・はんぺん・焼きちくわ・つみれ・蒟蒻(こんにゃく)・大根などを、汁をたっぷり使って煮込んだ料理」と説明しています。ところが韓国の屋台で오뎅と書かれていたら、それは鍋料理全体ではなく、串に刺した練り物そのもの(어묵)のこと。看板が어묵でも오뎅でも、出てくるのは同じおやつです。

揚げたタイプの親戚が핫바(ハッバ)。英語の hot bar から来た名前で、우리말샘によると、魚のすり身に小麦粉や野菜、調味料を混ぜてこね、油で揚げたものです。だしの鍋が本領を発揮するのは寒い日。韓国政府の公式サイト Korea.net は2017年の記事で、串に刺した어묵を凍える夜の何よりのごちそうと紹介しています。氷点下の夜に湯気の立つ鍋の前に立てば、その理由がすぐにわかるはずです。

3. 순대(スンデ):アイスのサンデーとは無関係

순대は韓国の腸詰めで、英字つづりの sundae がデザートのサンデーと重なるのはただの偶然です。標準語辞典の説明では、豚の腸に肉・豆腐・もやし・ねぎ・血・당면(タンミョン、春雨)などを味付けして詰め、両端を縛ってゆでたもの。この sundae というつづりは、いまや公式の方針でもあります。韓国政府が公共用語の外国語訳の指針を改め、2021年7月22日からは公的な資料で 순대 を sundae と表記しているからです。直訳の「blood sausage(血のソーセージ)」では外国の人が敬遠しかねない、というのが理由でした。春雨は中身の定番の具なので、古い訳語におびえて見送る必要はありません。

4. 튀김(ティギム)と김말이(キムマリ):揚げ物トレーの読み方

튀김は揚げ物のことで、看板では接尾語のように働きます。前に何がつくかで、衣の中身がわかる仕組みです。辞書の定義は、魚や肉、野菜に小麦粉の衣をつけて油で揚げたもの。오징어튀김(オジンオティギム)ならイカ、야채튀김(ヤチェティギム)ならミックス野菜、고구마튀김(コグマティギム)ならさつまいもです。

ひと目では読めない名前もあります。김말이の直訳は「김(海苔)巻き」で、野菜や春雨を乾燥海苔で巻き、衣をつけて揚げたもの。この海苔はキンパを巻くのと同じものです。発音するとㄹが次の音節につながるので、ローマ字も gimmal-i ではなく gimmari になります。このつながりのルールはハングルを速く読むための発音ルールで解説しています。看板に떡튀순(トクティスン)とあれば、それは定番の三点セット。우리말샘はこの略語を、トッポッキ・ティギム・スンデをまとめて呼ぶ言葉と説明しています。ひと口目の前に김말이をトッポッキのソースにくぐらせると、カリッとした衣が辛さをたっぷり吸い込みます。

5. 꼬치(コチ):串に刺さっていれば꼬치

꼬치は串に刺した食べ物のことで、前につく言葉が串の中身を教えてくれます。닭꼬치(タッコチ)は鶏肉、떡꼬치(トッコチ)は餅。우리말샘は떡꼬치を、餅を串に刺して焼いたものと説明しています。

落とし穴は、串ものがいつも꼬치を名乗るとは限らない点です。회오리감자(フェオリカムジャ)は直訳で「竜巻じゃがいも」。우리말샘によると、じゃがいも1個を丸ごと串に刺し、らせん状に切って引き伸ばしてから揚げるか焼くかしたもので、チーズパウダーをまぶすこともあります。소떡소떡(ソトクソトク)は소시지(ソーセージ)と떡を縮めた弾むような名前で、韓国政府の政策ポータルが2018年に紹介した高速道路の休憩所グルメの必食リストには、アンソン(안성)休憩所の소떡소떡も入っていました。まず名詞を読めば、串のことは自然とわかります。

6. 핫도그(ハットグ):衣で包んだ韓国式ホットドッグ

핫도그は英語の hot dog をハングルで書いたものですが、屋台で知っておきたいのは우리말샘が挙げる2番目の意味、つまり長いソーセージを串に刺し、小麦粉の衣をつけて揚げたものです。英語圏で Korean corn dog と呼ばれているのがこれ。ただし辞書の定義では衣は小麦粉なので、コーンドッグというあだ名は衣の材料より形を言い当てています。

ここでの핫(hat)は英語の hot そのもので、핫바の頭につくのと同じ音節です。バリエーションも名前を見ればわかります。우리말샘は치즈핫도그(チーズハットグ)を、チーズを中に詰めたり上にのせたりした핫도그と定義しています。口から離すと、塩気のきいたチーズがびよーんと長く伸びるのがこのタイプです。

7. 호떡(ホットク):「胡」の字がつく焼き菓子

호떡は鉄板で焼く平たいお菓子で、中には砂糖が入っています。最初の音節は漢字の「胡」で、かつて外の異民族を指した字です。標準語辞典はこの語を「胡떡」と書き、中国から伝わった食べ物だと簡潔に記しています。続きを補ってくれるのが、韓国の百科事典「한국민족문화대백과사전」です。1882年の貿易協定で中国人の定住に道が開かれたあと、1880年代に中国からの移住者が持ち込み、1930年10月の時点で中国人が営む호떡の店は全国に1,139軒あったといいます。

떡の字にも注目してください。호떡は小麦粉やもち米粉で作るので、看板の떡は「餅」だけでなく、鉄板で焼いた菓子を指すこともあります。かじるときは慎重に。中でとろりと溶けた砂糖はかなり熱くなっています。いま屋台で売られているのは韓国風にアレンジされたもので、百科事典によると、中国語圏ではこれを「黑糖餠(黒糖の焼き菓子)」と呼んで区別しているそうです。

釜山のナンポドン(남포동)では、씨앗호떡(シアッホットク、直訳は「種ホットク」)を探してみてください。揚げ焼きにした호떡に切れ目を入れ、砕いたピーナッツ、ひまわりの種、かぼちゃの種を詰めたもので、百科事典によると1980年代にナンポドンの路上で始まったものです。

8. 붕어빵(プンオパン):魚の入っていない魚のパン

붕어빵の名前は中身ではなく焼き型から来ています。標準語辞典の定義は、薄く溶いた小麦粉の生地と小豆あんを、붕어(フナ)の形をした型に入れて焼いたもの。ここでたい焼きを思い出した方もいるでしょう。デジタル大辞泉のたい焼きの定義は「鯛の形の鉄型に溶いた小麦粉の生地を流し込み、あんを入れて焼いた菓子」です。ふたつの辞書を並べると、違うのはほぼ魚の種類だけで、韓国の型は鯛ではなくフナをかたどっています。

붕어빵は풀빵(プルパン)の仲間です。百科事典によれば、풀빵は型で焼く生地のお菓子で、名前は焼き型の形から付けられます。だから仲間の名前も簡単に読めます。

잉어빵(インオパン)は붕어を잉어(コイ)に替えたもので、우리말샘によると붕어빵よりパリッとして油っぽい仕上がりです。국화빵(ククァパン)は菊の花の形の型で焼く「菊パン」。계란빵(ケランパン)は「卵パン」で、계란は漢字で書くと鷄卵、卵を意味する漢字語です。Korea.net はこれを、卵が丸ごと1個入ったふわふわのパンと紹介しています。看板が달걀빵(タルギャルパン)なら、固有語の달걀を使っただけで同じおやつ。辞書は계란と달걀を同義語として扱っています。小豆あんは今も定番ですが、Korea.net の2020年の冬のおやつ特集は、小豆の香りが苦手な人のためにカスタードクリーム入りが生まれ、その後クリームチーズ、さらにチョコレート入りが続いた流れをたどっています。

屋台の食べ物を韓国語で読むコツ:看板によく出るパーツ早見表

名前はふたつに分けて読みます。ここまでの名前の多くは、後ろのパーツが食べ物の種類を、前のパーツが中身や形を表しています。下のパーツを覚えておけば、初めて見る名前でもおおよその見当がつきます。

パーツ読み意味使われている例
빵パン(ppang)パン(ポルトガル語の pão から来た外来語)붕어빵、계란빵、국화빵
떡トク(tteok)餅。焼き菓子を指すことも떡볶이、떡꼬치、호떡
볶이ポッキ(bokki)炒めたもの떡볶이、라볶이
꼬치コチ(kkochi)串に刺した食べ物닭꼬치、떡꼬치
튀김ティギム(twigim)衣をつけて揚げたもの오징어튀김、야채튀김
말이マリ(mari)巻いたもの김말이
군クン(gun)火で焼いた군고구마、군밤
핫ハッ(hat)英語の hot핫도그、핫바
호ホ(ho)「胡」、外国の(호떡だけ)호떡

見た目は同じでも意味の違う호があります。호떡の호は「胡」ですが、甘いあんの入った蒸しパン호빵(ホッパン)の호はまったく関係ありません。우리말샘はこの語が商品名から来たと説明し、Korea.net は、熱々のホッパンにかぶりつく前に「ホー」と息を吹きかける音だと解説しています。百科事典は、1970年代のホッパン人気が호떡の勢いをそいだとまで書いています。

寒い季節には専用の語彙もあります。붕어빵、호떡、串の어묵はどれも Korea.net の冬の屋台おやつ特集に登場していて、注目したい接頭語が군(クン)、「焼いた」という意味です。辞書は군고구마(クンゴグマ)と군밤(クンバム)を、火で焼いたさつまいもと栗、つまり焼き芋と焼き栗と定義しています。Korea.net は2017年に、冬の代表的なおやつといえば多くの人が焼き芋を思い浮かべると書きました。かつてはドラム缶ストーブの焼き芋売りが簡単に見つかったのに対し、いまはオフィス街や大学の近くのコンビニがグリルで焼いて売っていることもある、とも伝えています。

値段の看板は3つの単語で読めます。개(ケ)は「個」にあたる助数詞、원(ウォン)は通貨、천(チョン)は「千」。たとえば「3개 2천원」とあれば、3個で2,000ウォンという意味になります。看板をスマホのカメラで訳したいなら、写真翻訳がオフラインでどこまで使えるかを韓国語翻訳アプリのガイドで確かめておくと安心です。

よくある質問

Q: トッポッキとトッポギ、どちらの書き方が正しい?

カタカナはどちらも韓国語の音を写した近似で、確かなのはハングルの 떡볶이 です。英字メニューの ddeokbokki や dukbokki も、公式の方式から外れたつづりです。2000年7月7日に定められた公式ローマ字表記では ㄸ を tt、ㅓ を eo と書くので tteokbokki になり、合成語の濃音も書き表しません。屋台を検索したり店の人に見せたりするときは、ハングルをそのまま写すのが確実です。

Q: 붕어빵は日本から伝わったのですか?

一部はそうです。百科事典によると、풀빵を焼く型は1930年代に日本から入り、오방떡(オバントク)は日本の大判焼きにさかのぼります。その오방떡の型から形が少しずつ変わり、フナや菊の花、ピーナッツ、クルミの型が生まれていきました。百科事典が名前を挙げる日本の祖先は、たい焼きではなく大判焼きです。それが韓国の日常のおやつになったきっかけは、1960年代の安い小麦粉でした。

Q: 韓国旅行の屋台で注文するときの韓国語は?

指さして 이거 주세요(イゴ チュセヨ)、「これください」と言えば伝わります。2つ以上ほしいときは개の前に数を入れて、두 개 주세요(トゥ ゲ チュセヨ)で「2つください」です。

Q: 어묵を「オデン」と呼ぶのは間違い?

間違いではありませんが、標準語ではありません。標準語辞典は오뎅を日本語からの外来語として扱い、어묵へ案内しているので、文章に書くなら어묵のほうが無難です。指している食べ物はどちらも同じです。

Q: 붕어빵が出回る季節はいつ?

冬です。Korea.net の2020年の特集は붕어빵を冬に人気の屋台おやつと呼び、寒い季節に人々をほっとさせてきた存在だと書いています。デジタル大辞泉でたい焼きが冬の季語とされているのと同じで、韓国でも寒くなってからが本番です。

まずは1番から始めましょう。떡볶이の鍋を見つけたら、看板を声に出して読んでから指さしてみてください。

特集 韓国料理の基本