ソメクの作り方|黄金比3:7と度数、おすすめビール
目次
うまく作ったソメクは淡い金色で、紙ナプキンがしっとりするほど冷えていて、箸でトンと叩いた一瞬あとに、きめ細かい泡がぐっと盛り上がります。ひと口目はキレのいいラガーを少しまろやかにした味わいで、のどの奥にすっと温かさが残ります。ソメク(소맥)は、ソジュ(韓国焼酎)をビールで割った韓国の定番の飲み方です。韓国で2026年6月から店頭に並んだ15.7%のチャミスル フレッシュを使い、定番の3:7で割ると、度数はほぼ8%になります。ソメクの作り方そのものは30秒で覚えられます。ただ、焼肉の網を囲む席や会社の飲み会のように、テーブル全員の分をまとめて作るとなると、ちょっとしたコツがいります。多くのレシピが書いていないのは、まさにその部分です。
クイックアンサー
- ソメクの黄金比はソジュ3:ビール7で、2026年の韓国のチャミスル フレッシュ(15.7%)とTERRA(4.6%)なら、度数は約7.9%です。
- 冷えたビールグラスにソジュを3分の1弱まで注ぎ、冷えたビールを足してから、箸でトンと叩いて泡を立てます。
- 日本でチャミスルを扱う眞露株式会社の商品ページでは、チャミスル fresh は16%、TERRAは4.5%と表示されていて、この2本を3:7で割ると約8%です。
- 韓国の席では1人がまとめて全員分を作り、グラスは両手で渡して両手で受け取ります。
ソメクの作り方:用意するのはソジュ、ビール、グラスの3つ
必要なのは、緑の瓶のソジュと、よく冷えた韓国のラガー、そしてぬるくなる前に飲みきれる小さめのビールグラスです。買い物リストはこれだけですが、何を選ぶかで味は思った以上に変わります。
ソジュ。 定番はハイトジンロ(하이트진로)のチャミスル フレッシュで、2026年はさらに口当たりがやわらかくなりました。度数を16%から15.7%に下げたリニューアル版が、2026年6月中旬から韓国の店頭に順次並んでいます。ヒキガエルのマスコットでおなじみの眞露(ジンロ、진로)も、ハイトジンロの2026年の商品ページでは同じ15.7%です。いっぽうチャミスル オリジナルは20.1%のままで、割るとはっきりカッと熱い一杯になります。ライバルの瓶を造っているのはロッテチルソン飲料(롯데칠성음료)で、チョウムチョロム(처음처럼)とセロ(새로)がそのブランドです。緑の瓶そのものの話は、テテ(BTSのV)がJINROの顔になった経緯にまとめています。
ビール。 合わせるのは、軽くて炭酸の強いビールです。ソジュの味を運んでくれるのは泡だからです。ハイトジンロの2026年の商品ページでは、TERRA(테라)が4.6%、ケリー(켈리)とハイト(하이트)はどちらも4.5%です。もうひとつの大手、OBビール(오비맥주)のCass(카스)も、韓国の飲食店の冷蔵庫でよく見かける銘柄です。メーカーとしては同じ会社どうしで組んでほしいところで、ハイトジンロは2020年のプロモーションで「TERRA+チャミスル」「TERRA+眞露」を新しいソメクの組み合わせとして打ち出しました。
グラス。 道具はソジュ用のショットグラスと、小さめのビールグラスがあれば十分です。割合を測る専用のカップもあります。2011年、韓国の英字紙Korea JoongAng Dailyは、1:9から5:5まで目盛りが入った₩3,000の「ソメクカップ」を紹介しました。1:9の目盛りには「やさしくまろやか」、5:5には「ブラックアウト」といった意味の言葉が添えられ、3:7が黄金比として印されていました。ハイトジンロも、同じ2020年のプロモーションでTERRAの家飲み用ソメクグラスを売り出しています。
日本で買えるチャミスルと、おすすめのビール
日本で作るなら、緑の360ml瓶の「チャミスル fresh」と、日本でも売られているTERRAの組み合わせが、韓国の定番にいちばん近い一杯になります。日本でチャミスルを扱う眞露株式会社の商品ページでは、チャミスル fresh は16%(希望小売価格339円・税別)と表示されていて、韓国で15.7%に下がったリニューアル版とは数字が違います。TERRAも日本向けは4.5%の表示で、韓国の商品ページの4.6%とわずかに差があります。この2本を3:7で割ると約8%なので、韓国で飲む一杯とほとんど変わりません。
日本のビールでも、もちろん作れます。たとえばアサヒスーパードライはアルコール分5%なので、チャミスル fresh と3:7で割ると約8.3%で、TERRAで作るより少しだけ強くなります。キレのある辛口タイプは、ソジュを足しても後味がすっきりまとまるのでおすすめです。
ひとつ気をつけたいのが瓶の大きさです。700mlの大きな瓶で売られている「Chamisul」は、20%や22%の焼酎甲類です。緑の360ml瓶と同じ感覚で注ぐとかなり強くなるので、3:7より軽めに割るのがおすすめです。
ステップ1:キンキンに冷やして、ソメクの割合を決める
ソジュとビールを冷蔵庫でしっかり冷やし、注ぐ前に、その回をどのくらいの強さにするかを決めておきます。銘柄より大事なのは温度です。ぬるいソジュはアルコールの角がツンと立ち、ぬるいビールはすぐに炭酸が抜けるので、冷えていないソメクは熱さばかりで、シュワっとした爽快感がありません。
日本の居酒屋で頼むハイボールやサワーは、お酒を炭酸水やジュースで割って軽くする飲み方です。ソメクは発想が逆で、ビールにソジュを足すので、できあがりはビール単体より強くなります。
次は割合です。カップに黄金比として印されていたのが3:7で、ソジュの存在がビールのキレの中にほぼ溶け込むバランスです。よく使われる割合ごとの度数を、ハイトジンロの2026年の数値で単純に体積計算すると、下の表のとおりです。ミリ単位で注ぐ人はいないので、小数点以下はだいたいの目安として見てください。
| ソジュ:ビール | チャミスル フレッシュ(15.7%)+TERRA(4.6%) | チャミスル オリジナル(20.1%)+TERRA(4.6%) |
|---|---|---|
| 1:9 | 約5.7% | 約6.2% |
| 2:8 | 約6.8% | 約7.7% |
| 3:7 | 約7.9% | 約9.3% |
| 5:5 | 約10.2% | 約12.4% |
割合をめぐる言い合いも、儀式の一部です。作る人がその回の全員の強さを決めることになるので、2:8か3:7かは雑談ではなく、ちょっとした交渉になります。2011年のKorea JoongAng Dailyの記事でも、グラスをずらりと並べて、実験室の研究者のような集中ぶりで割る人たちの様子が描かれています。
量を増やすときの計算も簡単です。360mlのソジュ1本を3:7で割るにはビールが約840ml必要で、500mlのビール1本と、もう1本の3分の2ほどです。ソジュ1本にビール2本を頼めば、だいたいちょうどよくなります。
ステップ2:ソジュをグラスの3分の1弱まで注ぐ
3:7にするなら、空のビールグラスに先にソジュを入れ、高さの3分の1より少し下で止めます。ソジュを先に入れるのは、あとから注ぐビールが落ちる勢いで混ぜてくれるからで、スプーンでかき混ぜる必要もありません。
失敗しやすいのはグラスの形です。まっすぐな寸胴のグラスなら、高さの30%がそのまま容量の30%になります。ところが口に向かって広がるグラスだと、下から3分の1の高さまでに入る量は全体の3分の1に届かないので、線より少し上を狙ってください。グラスに印刷されたビール会社のロゴはただの飾りで、目盛りではありません。
ショットグラスで量をそろえる方法もあります。ビールグラス1つにソジュのショットグラス1杯を入れ、残りをビールで満たすやり方です。これで3:7になるかどうかはビールグラスの大きさしだいで、目盛り付きのソメクカップが作られたのも、まさにこの問題を解決するためでした。
ステップ3:ビールを注いで、箸でトンと泡を立てる
冷えたビールをグラスの真ん中にまっすぐ注いで9分目まで満たしたら、グラスに鋭い衝撃を与えて泡を立てます。この一撃がいちばんの見せ場で、やり方は2つあります。
箸で叩く方法。 金属の箸かスプーンの柄を、グラスの中にまっすぐ立てます。グラスをしっかり押さえ、箸の上の端を手のひらでパンと叩きます。衝撃が液体の中を伝わり、1秒もしないうちにきめ細かい泡の柱が縁に向かってぐんぐん上ってくるので、上に少し余裕を残しておきましょう。
箸から落とす方法。 ポクタンジュ(폭탄주、爆弾酒)と同じ技です。ビールグラスを7割ほど満たし、2本の箸を並べて縁に渡したら、その上にソジュを満たしたショットグラスを載せます。テーブルをドンと叩くと箸が開いて、ショットグラスがビールの中にポチャンと落ちます。小さなグラスを中に入れたまま飲むので、ゆっくり傾けてください。
どちらの方法でも、泡が立っているうちに飲むのが鉄則です。ソメクはすぐに気が抜けてしまい、気の抜けた一杯はほとんどソジュの味しかしません。
ステップ4:両手で渡して、みんなで「コンベ(乾杯)」
グラスは両手で渡し、全員に行きわたるのを待ってから、そろって掲げて「건배(コンベ)」と声をかけます。건배は漢字で書くと「乾杯」で、日本語の乾杯と同じ字です。韓国の席では、ソメクは各自が好きに飲むものではなく、「回」で進みます。1人が作ってグラスを並べ、みんなに配り、全員のグラスが空いたら次の回が始まります。
細かな作法は上下関係で決まります。自分のグラスに自分で注ぐ手酌は、昔から好ましくないとされています。注ぐときも受けるときも両手を使い、目上の人の前で飲むときは、年下の人が少し体を横に向けて口をつけます。これは韓国の人が目上の人にお辞儀をする理由と同じ考え方です。仕事帰りのチームの飲み会、회식(フェシク、会食)では、ソメクを作る人が実質その夜全体のペースを決めることになるので、注ぐ前にどの割合がいいか、テーブルのみんなに聞いておきましょう。
ソメクがいちばん似合うのは、焼肉の網の前です。シュワっとした炭酸が豚の脂をすっと流してくれるので、ジュウジュウ焼けるサムギョプサルとは鉄板の組み合わせです。
ソメクでよくある失敗
いちばんの失敗は、強さを忘れることです。3:7の一杯は少し角のあるビールくらいの味ですが、約7.9%あるので、同じ量のTERRAのおよそ1.7倍のアルコールが入っています。しかも回はどんどん進みます。
ほかの失敗は小さく、すぐに直せます。
- ソジュをビールの上に浮かべる:ソジュをあとから注ぐと、ひと口目がカッと熱くなります。ソジュが先、ビールはあとです。
- 叩く前に注ぎすぎる:縁まで満たしたグラスは、箸を叩いた瞬間に泡があふれます。
- いつの間にか5:5に近づく:口の広がったグラスと気前のいい手つきのせいで、3:7のつもりが、誰も気づかないうちにずっと強い一杯になります。
- 自分で注ぐ:まわりのグラスを満たし、自分のグラスは誰かに満たしてもらいましょう。
よくある質問
Q: ソメクとは? 韓国語で何の略ですか?
소맥(ソメク)は、소주(ソジュ)と맥주(メクチュ、ビール)を縮めた言葉です。漢字では「燒麥」と書き、맥주も「麥酒」なので、日本語の焼酎と麦酒の頭文字を並べた形に近いです。国立国語院の辞書「ウリマルセム(우리말샘)」は、焼酎とビールを一定の割合で混ぜて作った酒と定義しています。親戚にあたるのがポクタンジュ(爆弾酒)で、「標準国語大辞典(표준국어대사전)」は、ビールの入ったグラスに洋酒を注いだグラスを入れて飲む酒と説明しています。
Q: 韓国では何歳からソメクを飲めますか?
2026年の時点で、韓国の青少年保護法(청소년 보호법)は19歳未満への酒類の販売を禁じています。ただし数え方は誕生日ではなく生まれた年で、19歳になる年の1月1日を迎えれば対象から外れます。売る側には年齢と本人の確認が義務づけられているので、身分証を持っていきましょう。
Q: ノンアルコールビールでもソメクは作れますか?
作れます。ハイトジンロはTERRA ZERO(테라 제로)を0.000%と表示しているので、チャミスル フレッシュと3:7で割ると約4.7%になり、ふつうのTERRA単体とほぼ同じ強さです。アルコール量を約6割に抑えながら回のペースについていける、便利な飲み方です。
Q: チャミスル レモンなどのフレーバー付きでも作れますか?
作れますが、味は甘めに寄って、ラガーというよりフルーティーなビアカクテルに近くなります。ハイトジンロの韓国のラインナップにもグレープフルーツや青ぶどうのソジュがあり、日本で売られているチャミスル レモンやマスカットなどのフレーバータイプは13%です。ビールの味も残したいなら、3:7より軽めに割るのがおすすめです。
ビールはキンキンに冷やして、ソジュは3分の1弱、箸で迷わずトンとひと叩き。できた最初の一杯は、両手で渡してあげてください。
特集 韓国の飲酒文化