BTSのテテはチャミスルのアンバサダー?JINRO契約の意味
目次
BTSのV(愛称テテ)は、ハイトジンロが韓国の外で売るソジュをひとつにまとめたブランド「JINRO(ジンロ)」のグローバルアンバサダーです。緑のボトルでおなじみのチャミスル(참이슬)も、海外では「JINRO チャミスル フレッシュ」「JINRO チャミスル オリジナル」として売られています。つまり「テテがチャミスルのアンバサダーになった」という言い方は、半分だけ正解です。ハイトジンロがVの起用を発表したのは2026年7月3日で、英語版の発表文には、この契約の対象になる商品が並んでいます。2種類のチャミスルに「JINRO IS BACK」、そしてグリーングレープからレモンまで6種類のフルーツフレーバーです。一方、韓国の飲食店の壁に貼られるチャミスルのポスターは別の契約で、2014年にアイユー(IU)が最初に結んだものです。この「国内」と「海外」の分かれ方こそ、今回のニュースの本題です。韓国では毎晩のように食卓に並ぶ気取らないお酒の売り込みを、世界に名の知れたテテが海の外で任されたわけです。
まず結論から
- テテ(BTSのV)は2026年7月3日、ハイトジンロが海外で使うブランド「JINRO」のグローバルアンバサダーに選ばれていて、チャミスルも海外では「JINRO チャミスル」として売られています。
- 最初のキャンペーン「My Favorite JINRO」は2026年7月23日に始まり、JINROのグローバルSNS全体での再生回数は2か月で5億回を超えています。
- 韓国国内のチャミスルのポスターモデルは別の契約で、2014年に初めて起用されたアイユーを、ハイトジンロは2024年の再契約時に「酒類業界の最長寿モデル」と紹介しています。
- 日本でチャミスルを販売しているのはハイトジンロの日本法人・眞露株式会社で、2025年3月にはファーストサマーウイカを「チャミスル」ブランドアンバサダーに迎えました。
テテ(BTSのV)がチャミスルのアンバサダーって、どういう意味ですか?
韓国の飲食店のポスターモデルを引き継ぐのではなく、韓国の外で、JINROの名前でチャミスルを売る役割です。ハイトジンロは海外向けのソジュを「JINRO」ブランドにまとめ、約91か国へ輸出しています(2026年6月の発表より)。海外向けのラインナップはすっきりしていて、レギュラーのソジュが3種類(JINRO チャミスル フレッシュ、JINRO チャミスル オリジナル、JINRO IS BACK)と、フレーバーが6種類だけです。ハイトジンロは、この数字を最初のCMにこっそり忍ばせています。Vがパーティー会場を間違えるストーリーで、ドアの部屋番号「306」はレギュラー3種類とフレーバー6種類を意味していて、「307」はフレーバーを7種類以上に増やす計画を表しています。キャンペーンは2026年7月23日に公開され、新しいグローバルタグライン「Fill The Moment」も同時に登場しています。だから「テテがチャミスルの新しい顔になった」と受け止めたファンも、間違ってはいません。韓国の外から見ていた、というだけのことです。
日本で売られているチャミスルとは、どう関係しますか?
日本の店頭に並ぶチャミスルには、また別の担い手がいます。日本市場向けに「JINRO」や「チャミスル」の商品開発・輸入・販売を手がけているのは、ハイトジンロの日本法人である眞露株式会社です。眞露株式会社は2025年3月、ファーストサマーウイカを「チャミスル」ブランドアンバサダーに迎えた新しいWEBCMを公開しています。さかのぼれば2005年には、チャン・ドンゴンを「Chamisul」のメインキャラクターに起用していました。日本の読者なら、チャミスルの「顔」を三つの系統に分けて考えるとすっきりします。韓国国内のポスターのアイユー、海外向けJINROのテテ、そして日本法人がその時々に起用してきた顔ぶれです。
チャミスルとは? 緑のボトルが大事な理由は?
チャミスル(참이슬、だいたい「本物の露」の意味)は、ハイトジンロが1998年に発売した看板ソジュで、ソウルから釜山(プサン)まで、どの食卓でも見かける緑のボトルです。ハイトジンロによると、2026年5月までの販売本数は360ml換算で約413億本で、発売から1秒に約47本売れてきた計算です。ソジュはクセの少ない透明なお酒で、想像よりずっと軽い口当たりです。韓国では2026年6月中旬から店頭に並んだリニューアル版で、チャミスル フレッシュの度数が16%から15.7%に下がり、チャミスル オリジナルはしっかりめの20.1%のままです。口当たりがやわらかいので、長い食事のあいだにボトルがするすると空いていきます。キレのあるフレッシュ派とふくよかなオリジナル派に分かれて、どっちが「本物」かを冗談まじりに言い合うのも、韓国の飲み仲間の定番です。ブランドの実力も折り紙つきです。JINROは2025年に9リットル換算で9450万ケースを売り上げ、ドリンクス・インターナショナルの「世界で最も売れている蒸留酒」リストで25年連続の首位に立っています。K-POPスターの人気に乗っかろうとするニッチなブランドではありません。
なぜ韓国で「ソジュのモデル」はこれほど狙われる仕事なのですか?
ソジュのモデルになると、お酒を出す店のあちこちにポスターが貼られ、毎週何百万人もの人がその顔を見ながら夕食をとることになるからです。飲食店の壁や冷蔵庫の扉に貼られたポスターは、見るつもりがなくても自然と目に入ります。チャミスルでこの座の代名詞といえば、アイユー(IU)です。初めて起用されたのは2014年で、2024年に契約を更新した際には、ハイトジンロが「酒類業界の最長寿モデル」と紹介しています。ソジュの広告に選ばれるのは国じゅうに顔が知られた証しでもあるので、華やかな高級ブランドの広告より格上だと見る人もいるほどです。テテの契約には、ひとひねりがあります。国内のポスター枠ではなく、その「世界版」を任され、ハイトジンロが「JINRO初のグローバルキャンペーン」と呼ぶ企画の顔になっています。
ソジュは韓国の社交にどう溶け込んでいますか?
ソジュは「自分のために頼む一杯」というより、韓国の食卓をつなぐ社交の潤滑油です。ボトルはみんなで分け合うのが前提で、言葉にしない飲み方のマナーまであります。自分のグラスに自分で注ぐ手酌はしません。誰かが、できれば両手で注いでくれますし、目上の人の前で飲むときは、若い人が少し体を横に向けて口をつけます。これは韓国の人が目上の人にお辞儀をする理由と同じ序列の考え方です。値段も手ごろで、コンビニならボトル1本およそ2,000ウォン、飲食店では地域によって5,000ウォン以上が一般的で、チップを上乗せする必要もありません。焼けた豚肉との相性は抜群で、韓国焼肉のテーブル、とくにジュウジュウ焼けるサムギョプサルの横に緑のボトルが数本ないと、なんだか物足りません。ソジュをビールで割る「ソメク(ソジュ+ビール)」も、韓国の人にとってはもはや体にしみついた飲み方です。
なぜファンはこんなに盛り上がっているのですか?
世界的なボーイズグループのメンバーであるテテと、韓国でいちばん庶民的なお酒という組み合わせが、ファンには象徴的なクロスオーバーに映るからです。高級感とは正反対のソジュだからこそ、テテが背負う姿には飾り気がなく、韓国のふだんの暮らしへの愛着まで感じられます。勢いは数字にも表れています。ハイトジンロの発表によると、メインのCM映像は3億回以上再生され、JINROのグローバルSNS全体の再生回数は2か月で5億回を超えています。屋外広告もニューヨークのタイムズスクエアをはじめ、トロント、北京、上海、東京、ホーチミン、マニラ、シドニーなどに広がっています。ビジネスの面でも意味は大きく、テテほどの知名度があれば、韓国の外でも店の棚やバーのメニューに入り込みやすくなります。海外のファンなら、「ソジュって聞いたことはある」から「テテが飲んでるあれ、飲んでみたい」へ気持ちが動くのも自然な流れです。
日本では、K-POPとチャミスルの組み合わせがひと足先に話題になっていました。2025年9月に眞露株式会社が始めた「TOMORROW X TOGETHER × チャミスル・眞露」のコラボ企画です。TOMORROW X TOGETHER(TXT)はBTSを輩出したBIGHIT MUSICからデビューしたグループで、メンバーやコンサートビジュアルを印刷したネックタグ付きのチャミスルが数量限定で発売されました。眞露株式会社によると、この企画はSNSを中心に大きな反響を呼び、同年11月には第2弾も開催されています。

よくある質問
Q: テテ(V)はアイユーに代わって、韓国のチャミスルのモデルになったのですか?
正確には違います。テテの契約相手は、ハイトジンロが海外で使うブランド「JINRO」で、そのラインナップにJINRO チャミスル フレッシュとオリジナルが含まれているので、JINROの名前でチャミスルを売っていることにはなります。韓国国内のチャミスルのポスター契約は別で、2014年にアイユーが最初に結び、2024年に更新されています。
Q: テテが広告しているチャミスルは、日本でも買えますか?
チャミスル自体は日本でも買えます。日本向けの商品はハイトジンロの日本法人・眞露株式会社が扱っていて、コンビニやスーパー、ドラッグストアなどでも気軽に手に取れます。日本で特に人気が高いのはフルーツフレーバータイプで、たとえば2025年3月に発売された「チャミスル レモン」(360ml)の希望小売価格は321円(税別)です。海外全体で見ると、ハイトジンロはJINROの名前で約91か国にソジュを輸出していて、海外向けにはJINRO チャミスル フレッシュ、JINRO チャミスル オリジナル、JINRO IS BACKと、グリーングレープ、ピーチ、ストロベリー、グレープフルーツ、プラム、レモンの6種類のフレーバーがあります。
Q: チャミスルの度数は? ウイスキーやウォッカと比べてどのくらいですか?
チャミスル フレッシュは2026年6月のリニューアル後で15.7%、チャミスル オリジナルは20.1%です。強いほうでも一般的な40%のウイスキーやウォッカの約半分ですが、ビールやワインよりはしっかり強めです。1979年に日本で発売された「JINRO(25度)」と比べても、だいぶ軽めです。このやわらかさのおかげで、長い夕食のあいだに何本も空いていきます。
Q: テテのチャミスル(JINRO)のCMは、どこで見られますか?
JINROのグローバル公式YouTubeチャンネルと、InstagramやFacebookの公式アカウントで見られます。メイン広告「My Favorite JINRO」は2026年7月23日に公開され、ハイトジンロの集計では8月下旬までに3億回以上再生されています。
次にコンビニの棚やソウルの食卓であの緑の小瓶を見かけたら、360mlのボトルにずいぶんいろいろな物語が詰まっていることを、ちょっと思い出してみてください。
特集 韓国の飲酒文化