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歌手パク・ジヒョンとは?韓国の「トロット王子」を解説

紫の照明の下、マイクを握って歌うダークスーツ姿の歌手
Photo © mbn.co.kr
目次
  1. 歌手パク・ジヒョンとは?「トロット王子」のプロフィールを一目で
  2. 木浦の魚市場から「トロット王子」へ、どんな道のり?
  3. 『MASTER VOICE』が2026年に大きな話題になった理由は?
  4. なぜ「トロット王子」と呼ばれるのか
  5. よくある質問

パク・ジヒョン(박지현)は、1995年12月12日に木浦(モッポ)で生まれた韓国のトロット歌手で、いま韓国の芸能ニュースの見出しで「トロット王子」(트롯 왕자)と呼ばれている人物です。2023年3月には、TV朝鮮のオーディション番組「ミスタートロット2」で準優勝しています。そして2026年2月の初フルアルバム『MASTER VOICE』は、発売翌日に全10曲中9曲がMelonのHOT100入りを果たしています。最近よくタイムラインに名前が流れてくるのは、このアルバムと、そのあとの完売ツアーが話題になったからです。同じハングル表記の女優パク・ジヒョンとは別人で、見分け方は記事後半の「よくある質問」にまとめています。

早わかり

  • パク・ジヒョンは1995年12月12日生まれ、木浦出身の韓国のトロット歌手で、2023年3月16日の「ミスタートロット2」決勝で2位(「善」)に入っています。
  • 「トロット王子」は、2026年2月23日発売の初フルアルバム『MASTER VOICE』より前から見出しに使われていた呼び名で、初動約25万枚という結果がその定着を決定づけています。
  • 所属事務所は2025年3月設立のグレイスENMで、彼はその第1号アーティストです。

歌手パク・ジヒョンとは?「トロット王子」のプロフィールを一目で

パク・ジヒョンは韓国南西部の港町・木浦出身のトロット歌手で、2025年12月に30歳を迎えています。ハングルでは박지현と書き、姓は英語の「Park」よりも「バク」に近い音です(Parkの「R」は英語式つづりの名残で、韓国語の音ではありません)。経歴をざっと並べると、2021年にKBS1の歌番組『ノレガ・チョア(노래가 좋아)』で4連勝、2023年に「ミスタートロット2」で準優勝、2025年1月に初のミニアルバム『OCEAN』、2026年2月23日にフルアルバム『MASTER VOICE』という流れです。このアルバムは、新しい所属事務所グレイスENMから出た作品です。

木浦の魚市場から「トロット王子」へ、どんな道のり?

パク・ジヒョンは養成所の出身ではなく、兵役と魚市場での仕事を経て歌手になっています。除隊後は、木浦の水産市場で母親と一緒に海産物を商っていた時期があります。シングルリストが伝えた2023年の市場再訪の場面で、本人はその期間を4〜5年ほどと振り返っています。「自分のような人間でもできるだろうか」と歌手の夢に再挑戦するきっかけになったのは、第1シーズンの「ミスタートロット」を見たことです。最初の挑戦は2021年のKBS1『ノレガ・チョア』で、4連勝して番組の「名誉卒業」を手にしています。続く「ミスタートロット2」は、2022年12月にTV朝鮮で始まった番組です。etodayの決勝レポートによると、2023年3月16日の生放送の決勝では優勝のアン・ソンフンに次ぐ2位に入り、「善(ソン)」の順位を獲得しています。

『MASTER VOICE』が2026年に大きな話題になった理由は?

『MASTER VOICE』はパク・ジヒョンにとって初のフルアルバムで、2026年2月23日午後6時に公開されています。話題を決定づけたのは、その数字です。韓国の世界日報(세계일보)の2月24日の記事によると、発売翌日の時点でタイトル曲「無(무)」はMelonのHOT100で13位、残る8曲も同じチャートに入っていて、韓国メディアのいう「줄 세우기(チャートにずらりと並べること)」になっています。チャート入りしなかったのは、10曲目の「無」のインストゥルメンタル版だけです。3月11日付の世界日報は、初動の販売枚数が約25万枚に達し、その時点でHanteoチャートの週間トロットチャート1位に立っていることを伝えています。

アルバムのクレジットを眺めると、チャート入りした9曲のうち7曲にユン・ミョンソンの名前が並んでいます。ユン・ミョンソンは、チャン・ユンジョンのトロットのヒット曲「オモナ(어머나)」を書いた作曲家で、アルバム全体のプロデュースも担当しています。残る2曲は、編曲家のヘグ(해구)による「Opening」と、GLABINGOとNickko Youngが手がけた「Dancing In Love」です。

ツアーでは、チャートの勢いがそのままチケット販売に表れています。単独コンサート「SHOWMANSHIP SEASON 2」は、2026年4月10〜12日にソウルのオリンピックホールで幕を開けた8都市ツアーでした(7月18日・19日の城南アートセンター公演は両日とも完売)。締めくくりは、8月29〜30日に同じホールで予定されたソウル・アンコール2公演です。アンコールの販売窓口は、韓国のコンサートチケット主要4サイトのうちのYES24チケットでした。

なぜ「トロット王子」と呼ばれるのか

「トロット王子(트롯 왕자)」は韓国の芸能メディアが付けた呼び名で、アルバムのチャート成績より前から使われています。iMBCは『MASTER VOICE』発売の9日前にあたる2026年2月14日の記事の見出しにこの言葉を使い、本文の書き出しでは「トロット皇太子(트롯 황태자)」とさらに格上げしています。アルバムのヒット以降、この呼び名は彼の定番の肩書きになっていて、3月11日に世界日報がまとめたアルバム活動の総括記事も、見出しの先頭にこの言葉を置いています。舞台が日本になっても、この肩書きはついて回ります。YouTubeで公開された韓国の旅バラエティ『배낭메고 버스킹3』(直訳:リュックを背負ってバスキング3)で彼が福岡の路上ライブに挑んだ回について、2026年7月のMHNスポーツの記事でも、見出しの冒頭に「트로트 왕자」が置かれています。この回では、日本の歌「サチコ」で福岡の人たちの足を止め、アンコールを求める声まで上がっています。ファンのあいだでは「木浦の息子(목포의 아들)」や「活魚ボイス(활어 보이스)」とも呼ばれていて、後者は生きのいい声を表す呼び名です。何年も魚市場で働いていた歌手には、ぴったりのあだ名です。

所属事務所の移籍も、韓国メディアでは「独り立ち(홀로서기)」の物語として語られています。以前の所属はTNエンターテインメントです。トロットマガジンによると、グレイスENMは経営陣の多くがTNから移ってきた新しい会社です。OSENの報道によれば、会社ができたのは2025年3月で、新人時代から彼を担当してきたマネージャーが中心になって立ち上げています。その第1号アーティストが、パク・ジヒョンです。2026年5月には、同じトロット歌手のイ・チャンウォンとキム・ヒジェもTNエンターテインメントを離れて合流しています。

韓国の「トロット王子」パク・ジヒョン、所属事務所グレイスエンエムのプロモーション写真 Photo © GRACE E&M

よくある質問

Q: パク・ジヒョンは何歳?

1995年12月12日に木浦で生まれているので、2025年12月に30歳になり、2026年12月12日に31歳を迎えます。

Q: 女優のパク・ジヒョンと同一人物?

別人です。ハングル表記が同じ박지현なので検索結果で混ざりやすいのですが、ドラマ『財閥家の末息子~Reborn Rich~』(2022年)や映画『秘顔-ひがん-』に出ている女優は、1994年生まれの別の人物です。『秘顔-ひがん-』は2024年製作の韓国映画で、日本では2025年6月20日に劇場公開されています。トロット歌手のほうは、木浦出身の「ミスタートロット2」準優勝者です。

Q: パク・ジヒョンが有名になったきっかけの番組は?

2022年12月にTV朝鮮で始まった「ミスタートロット2」で、2023年3月16日の決勝で2位に入っています。その前の2021年には、KBS1『ノレガ・チョア』で4連勝しています。

Q: パク・ジヒョンはどんな歌手?

2拍子のリズムと節回しが特徴のトロットを歌う歌手で、トロットは韓国では「ポンチャック(뽕짝)」とも呼ばれます。『MASTER VOICE』は大半がトロット作曲家ユン・ミョンソンの曲で、「Dancing In Love」だけが外部チームの作品です。

Q: パク・ジヒョンの曲、最初に聴くならどれ?

まずは『MASTER VOICE』のタイトル曲「無(무)」がおすすめです。2026年2月の発売翌日にMelonのHOT100で13位に入った曲です。オーディション番組での歌を聴きたいなら、「ミスタートロット2」のステージを収めたコンピレーション盤がいまも続いていて、2026年5月にはPart9がリリースされています。

Q: パク・ジヒョンの所属事務所は?

グレイスENMです。2025年3月に長年のマネージャーを中心に設立された会社で、彼が第1号アーティストです。2026年5月にはイ・チャンウォンとキム・ヒジェも加わっています。TNエンターテインメント所属と書かれたプロフィールは、情報が古いものです。

何気なく聴いた一曲から沼に落ちる瞬間を、韓国のファンは입덕(イプトク)と呼びます。パク・ジヒョンの歌でその入り口に立ったなら、まずは『MASTER VOICE』を聴き、そこから「ミスタートロット2」のステージへさかのぼるのがおすすめです。オーディション番組の準優勝者だった彼に、「トロット王子」の呼び名をすっかり定着させたのが、このアルバムです。

特集 K-Pop以外の韓国音楽