泣ける恋愛の韓国映画7選|『20世紀のキミ』の次に観たい
目次
『20世紀のキミ』を観終えても余韻が抜けない人に、次の一本としてすすめたい泣ける恋愛の韓国映画は、『ユ・ヨルの音楽アルバム』(2019)、『君の結婚式』(2018)、『サニー 永遠の仲間たち』(2011)、『建築学概論』(2012)、『ソウルメイト』(2023)、『私のオオカミ少年』(2012)、『ラブストーリー』(2003)の7本です。どれも初恋や友情を描いた作品で、2022年にNetflixで配信が始まったあの作品と共通点が三つあります。懐かしい時代の空気がまるごと閉じ込められていること、誰かに邪魔されるわけでもないのにタイミングだけがかみ合わない恋であること、そしてラストでそれまでの場面の見え方ががらりと変わることです。韓国映画はこうした切なさを、二十年以上かけて磨いてきました。ここでは定番の人気作から、いちばん泣ける作品、長年のファンでも見落としがちな作品までを、『20世紀のキミ』で泣いたばかりの友だちに手渡すつもりの順番で並べています。
さくっと結論
- 『20世紀のキミ』にいちばん近いのは『ユ・ヨルの音楽アルバム』(2019)です。90年代の懐かしさと、すれ違い続ける恋がよく似ていて、Netflixでは2019年11月5日から全世界で配信されています。
- とにかく泣きたい日は『君の結婚式』か『私のオオカミ少年』を。韓国映画を観始めたばかりの人が最初にすすめられることが多いのは『サニー 永遠の仲間たち』です。
- 有名作に加えて『ソウルメイト』(2023)や『ラブストーリー』(2003)のような通好みの作品も入れたので、Netflixで気軽に観る人にも、長年の韓国映画ファンにも新しい出会いがあるはずです。
泣ける恋愛の韓国映画7本が『20世紀のキミ』と同じ痛みを残す理由
7本に共通するのは、初恋そのものよりも、初恋を思い出すときのあの胸の痛みです。舞台の多くは90年代末から2000年代で、当時の空気がタイムカプセルのように残っています。悪役は出てきません。二人を引き離すのは、ほんの少しのタイミングのずれです。そして終盤、幸せだと思っていた記憶に別の意味が重なります。選ぶときは、胸に刺さるだけでなく、その時代や土地の手ざわりまで伝わってくる作品を優先しました。泣かせるためだけの大げさなメロドラマは外しています。すでに観た人気作もあるかもしれませんが、長年の韓国映画ファンでも見逃しがちな作品も何本か混ぜました。
1. ユ・ヨルの音楽アルバム(2019):Netflixで今すぐ観られる、いちばん近い一本
『20世紀のキミ』と同じ空気をまとった映画を一本だけ選ぶなら、まずはこれです。邦題も韓国語の原題そのままで、『ユ・ヨルの音楽アルバム』は実在するKBSの朝のラジオ番組の名前です。歌手のユ・ヨルがこの番組のDJを始めたのが1994年で、物語もその年から始まります。キム・ゴウンとチョン・ヘインが演じる二人は、出会っては離ればなれになり、ポケベルから初期の携帯電話、インターネットカフェへと移り変わるおよそ10年のあいだ、再会しかけてはすれ違います。その10年は、1997年のアジア通貨危機の時期とまるごと重なっています。悲劇で泣かせる映画ではありません。会えそうで会えない二人のもどかしさが、じわじわと胸に効いてきます。90年代から2000年代にかけての韓国の空気が、物語の主役のひとつになっている点も『20世紀のキミ』とそっくりです。Netflixで2019年11月5日から全世界配信されているので、このリストの中ではいちばん気軽に観られます。残りの6本は、国や時期によって配信状況が変わります。『ランニングマン』がNetflixで観られるかどうかが国ごとの配信権で決まるのと同じ事情で、日本で観られるサービスも入れ替わるため、観る前に確認しておくと安心です。
2. 君の結婚式(2018):まっすぐな初恋で泣かせる一本
「泣ける韓国映画が観たい」と思った日に選びたいのがこの作品です。物語は、パク・ボヨンとキム・ヨングァン演じる二人が2005年の高校で慌ただしく出会うところから始まり、大人になってもくっついたり離れたりを繰り返す年月を追いかけていきます。話の枠組みは、タイトルを見ればだいたい想像がつくはずです。初恋の人から届いたのは、別の誰かとの結婚式の招待状でした。そこから主人公は、あと一歩で結ばれそうだった年月を一つずつ振り返っていきます。振り回されるのに目が離せない初恋の相手をパク・ボヨンが実に魅力的に演じていて、だからこそラストに無理がありません。『20世紀のキミ』がしみじみと切ないタイプなら、こちらは正面から涙腺を揺さぶってくるタイプです。日本でも2019年3月1日に劇場公開されました。
3. サニー 永遠の仲間たち(2011):みんなが最初にすすめる王道
韓国映画好きが、これから観始める人に真っ先にすすめる一本といえば『サニー』です。描かれるのは、1980年代に青春を過ごした女子高生の仲良しグループと、その数十年後の彼女たちです。余命わずかな仲間の最後の願いをかなえるため、大人になったメンバーが再び集まり、二つの時代が交互に映し出されます。懐かしむ対象は恋ではなく友情ですが、仕掛けは『20世紀のキミ』と同じです。現在の場面が差し込まれるたびに、まぶしかったあの頃と引き換えに何を失ったのかが見えてきます。2011年の韓国公開時に口コミで評判が広がり、今も何度も見返される青春映画の定番になりました。日本では2012年5月19日に劇場公開されました。2018年には大根仁監督が舞台を90年代に移し、篠原涼子と広瀬すずの主演で日本版『SUNNY 強い気持ち・強い愛』としてリメイクしています。日本版から入った人も、ぜひオリジナルまでさかのぼってみてください。最初の1時間は笑いっぱなしなのに、最後には静かに涙を持っていかれます。
4. 建築学概論(2012):このジャンルの原点
懐かしい初恋を描く韓国映画の流れは、この作品から始まったといってもいいほどです。過去パートの舞台は1990年代半ばの大学です。「建築学概論」の授業で、内気な学生スンミン(イ・ジェフン)が、授業を取りに来ていた音楽科のソヨンに恋をします。ソヨンを演じたスジは、この作品でブレイクしました。現在パートはその15年後で、大人になったスンミン(オム・テウン)とソヨン(ハン・ガイン)が、済州島にある彼女の古い家を建て直すために再会します。やり残したままの初恋にいつまでも心を引っぱられる感覚は、『20世紀のキミ』が描く温度とぴったり重なります。その後の初恋映画の多くがこの作品を下敷きにしていて、お気に入りの一本にもきっとその影が見つかります。原点を確かめるつもりで観てみてください。日本での劇場公開は2013年5月18日です。
5. ソウルメイト(2023):キム・ダミ主演の隠れた名作
こちらが描くのは恋愛ではなく、幼なじみの二人が一生かけて育てていく友情です。恋よりも長く続くぶん、すれ違ったときの痛みも深くなります。済州島で子どものころに出会ったミソ(キム・ダミ)とハウン(チョン・ソニ)は、夢や距離、そして二人のあいだに現れる青年ジヌ(ピョン・ウソク)によって、十数年のあいだ近づいたり離れたりを繰り返します。デレク・ツァン監督の中国映画『ソウルメイト/七月と安生』を韓国でリメイクした作品で、映像は息をのむほど美しく、物語はゆっくりと熱を帯びていきます。終盤で友情の意味そのものが塗り替わる運び方は、『20世紀のキミ』が恋を描き直すやり方とよく似ています。日本の劇場には2024年2月23日にやってきた、このリストでいちばん新しい作品です。話題作だけを追っている人ほど見逃しやすい一本でもあります。
6. 私のオオカミ少年(2012):ほろ苦いファンタジーという変化球
ファンタジー色が強く、ほかの6本とは毛色が違いますが、このリストからは外せません。物語は、年老いた女性が1960年代に暮らした田舎の家を訪ねるところから始まります。そこから時間は巻き戻り、少女スニ(パク・ボヨン)と、言葉を話さない野生の少年チョルス(ソン・ジュンギ)の日々が描かれます。スニの家族に引き取られた少年は、少しずつ人間らしい暮らしを覚えていきます。ファンタジーの設定を取り払えば、中身は『20世紀のキミ』と同じです。手放すしかなかった最初の絆を、その後の人生でずっと抱えて生きていく話なのです。韓国映画振興委員会(KOFIC)のデータベースによると、2012年10月31日の韓国公開から665万5,821人を動員し、当時のメロドラマとしては屈指のヒット作になりました。日本での公開は2013年5月25日です。ふだん映画では泣かないという人でも、このラストには涙腺がゆるみがちです。
7. ラブストーリー(2003):もっと昔までさかのぼりたい人へ
『ラブストーリー』(原題:クラシック)は、このジャンルの大先輩にあたる作品で、リストの中でいちばんの通好みです。監督は『猟奇的な彼女』のクァク・ジェヨンです。ソン・イェジンが演じ分けるのは、2000年代初めに母の古い手紙を読む娘と、若き日の母の二役です。1960〜70年代を生きた母の初恋は、友情と運命のいたずらに翻弄されていきます。雨の中の名場面は、韓国映画のなかでも特によく引用されるシーンのひとつです。日本では2004年1月24日に劇場公開されました。『20世紀のキミ』を観て、のちの監督たちが手本にした「元祖」の味を知りたくなったら、20年近く前に生まれたこの古典までさかのぼってみてください。
よくある質問
Q: 映画『20世紀のキミ』はどんなあらすじですか?
1999年を舞台にした韓国映画で、2022年10月21日にNetflixで配信が始まりました。キム・ユジョン演じる高校生のナ・ボラが、親友に頼まれてある男子のことをこっそり調べるうちに、自分自身の初恋と、終盤ですべての意味が変わる大きな誤解に巻き込まれていきます。90年代末の懐かしさと、胸をえぐるラスト。この二つをもう一度味わいたい人に向けて選んだのが、上の7本です。
Q: 『20世紀のキミ』のキャストは、このリストの映画にも出ていますか?
一人だけいます。『20世紀のキミ』でボラの初恋の相手プン・ウノを演じたピョン・ウソクが、『ソウルメイト』(2023)では親友二人のあいだに立つ青年ジヌを演じています。ちょっとした再会気分も味わえるので、彼の演技が忘れられない人は、次に『ソウルメイト』を選ぶのがおすすめです。
Q: この7本でいちばん泣ける韓国映画はどれですか?
「確実に泣きたい」ときに名前が挙がりやすいのは『君の結婚式』と『私のオオカミ少年』です。『ソウルメイト』もそれに迫ります。初見でいちばん油断しやすいのは『サニー』で、前半1時間はほぼコメディなのに、後半で一気に泣かされます。
Q: 『20世紀のキミ』に似てるドラマはありますか?
雰囲気がよく似ているのは、Netflixシリーズの『その年、私たちは』です。ただ、映画ではなくドラマなので、映画にしぼったこのリストには入れていません。チェ・ウシクとキム・ダミが主演し、高校時代に撮影されたドキュメンタリー番組をきっかけに元恋人同士が再会する、ほろ苦い恋物語です。2021年12月6日にNetflixで独占配信が始まりました。映画からシリーズに切り替えてもかまわなければ、このリストの次に観る作品としてぴったりです。
まずは今夜、『ユ・ヨルの音楽アルバム』から観てみてください。『20世紀のキミ』からいちばん自然につながる一本です。気に入ったら、残りの6本で80年代、そして60年代へと、ほろ苦い時代をひとつずつさかのぼっていけます。